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2007年04月29日

政府(旧厚生省)の政教分離違反と安倍政権による隠蔽、政教分離原則破壊の改憲策動への抗議声明

 国立国会図書館が刊行した『新編 靖国神社問題資料集』によって、戦死者の靖国神社への「合祀」が、戦後も国(旧厚生省)によって主導されてきた事実 が、具体的に明らかになってきました。全国紙各紙が、三月三一日の社説で、こぞってこの問題を取り上げたことによく示されているように、マスコミも大きく話題にしだしています。

 そこでは、靖国神社への「A級戦犯合祀」のプロセスが、大きな問題として注目され続けています(今回の資料では、それはよく読めないのですが)。しかし私たちは、憲法二十条の政教分離原則を政府が踏みにじり続けてきたという歴史的事実、またそのことを歴代政府が人々の目から隠し続けようとしてきた事実、さらには「A級戦犯合祀」問題が露呈したときにそうであったように、その事実が表に出てしまうと「(靖国神社に)求められて情報を提示した」(これは安倍首相の言葉です)という具合に神社側に責任転嫁して事実を隠蔽しようとしてきた事実(政治家の姿勢)にこそ、注目しなければなりません。

 これは許されてはいけない行為です。

 安倍政権は憲法九条を軍隊を保持できるものに変え、二十条を「社会的儀礼又は習俗的行為」と国が判断すれば、その「宗教活動」を「国及び公共団体」が支えたり、行ったりすることができるように変えてしまおうとする動きを加速させています。戦争ができる国に日本をつくりかえていくためには、非武装平和主義の原則と政教分離の原則を全面的に破壊する必要があるのです。

 政教分離原則の破壊をくりかえしながら、それを隠蔽し続けてきた権力者たちは、今度は、その破壊行為を公然と可能にするために、憲法を書きかえてしまおうというわけです。

 私たちは、安倍政権のこうした姿勢に強い抗議の意思を表明します。安倍政権は、政教分離原則の破壊とその隠蔽の歴史的責任と向き合い、キチンと謝罪し、それを繰り返すことをやめるべきです。

 そしてもう一つ、この問題を契機として、靖国神社に代わる「宗教色のない」新たな国立の追悼施設、あるいは千鳥ヶ淵戦没者墓苑の拡充といった声も、またもや大きくなりつつあることに注目せざるをえません。

 私たちは、こうした主張にも反対です。すでにアフガニスタン・イラク戦争で、自衛隊は米軍とともに活動していますが、安倍政権は米国の要請にしたがい、さらなる日本の派兵国家化を推し進めようとしています。改憲策動はそのための一環です。つまり、権力者は新たな戦死者をつくりだす政治を実行しているのであり、それゆえに「復権」された靖国神社、あるいはそれにかわる国家の追悼儀礼空間が必要とされているわけです。それは戦死者を讃え、戦死を意味づけし、戦争継続に対する国民的合意を取りつけるための「宗教的」儀礼とならざるをえません。その儀礼の中心には、まちがいなく天皇が座ることになるでしょう。私たちには、そのようなものをつくりだす必要など、まったくありません。いや、そういうものをつくりだすことを許してはいけないと思います。

 私たちは、政府(旧厚生省)の政教分離違反と、安倍政権による隠蔽、政教分離原則破壊の改憲策動に抗議します。

 共同声明への参加、賛同を呼びかけます。

   二〇〇七年四月二九日


    呼びかけ人[個人]
  • 天野恵一(反天皇制運動連絡会)

  • 大津健一(日本クリスチャンアカデミー)

  • 菅原龍憲(真宗遺族会、浄土真宗本願寺派正蔵坊住職)

  • 辻子 実(靖国参拝違憲訴訟・東京)

  • 千葉宣義(日本基督教団牧師)

  • 長澤正隆(日本カトリック正義と平和協議会)

  • 弘田鎭枝(カトリック・メルセス修道会)

  • 山本浄邦(憲法二十条が危ない!緊急連絡会、僧侶)


    呼びかけ団体[団体]
  • 京都「天皇制を問う」講座実行委員会

  • 「反改憲」運動通信

  • 反天皇制運動連絡会(VII)

  • やめろ!「昭和の日」4.29集会実行委員会


連絡先
東京都千代田区三崎町3-1-18 近江ビル4F 「市民のひろば」
TEL.03-5275-5989/FAX.03-3234-4118