首都圏の天皇制問題を考えてきたグループ・個人で構成されるこの11.26集会実行委員会には、反天連も全力でコミットしてきた。というわけで、当日の集会宣言と、その3日前の宣伝カーへの右翼テロに対する実行委の抗議声明だ。これからもこの実行委は続く。ご支援を!
●集会アピール
天皇教という言葉もある通り、天皇一家の宗教としての振る舞いは、これから予定されている代替わり儀式において、もっとも濃密にあらわれる場面となる。
メディアに映るのは民衆の素朴な信仰を装っているが、天皇教はあまたの宗教と違い当たり前のように公共予算を食いつぶす。法律(憲法)によって存在を許されながら、その法律を無視し、ゆがめ続けることも天皇の十八番である。2016年7月から始まる「生前退位」騒動は、代替わりを円滑に進めようという天皇と支配層の都合ばかりが通りすぎている。特例という名の茶番は、天皇制自体がかかえ持ってきた混乱でしかないことを思い起こすべきだ。
この宗教の原理主義者というべき人たちは長い間、「日の丸・君が代」をはじめとする選別の道具を用いて、異端をあぶりだしては、官民あわせたむき出しの暴力をちらつかせてきた。
一方、今の天皇は原理主義色を薄めることも意図しながら、被災地を含め少数派と思しき人々への「慰問」に精を出し、より幅広い信仰のすそ野を広げようと「仕事」してきている。今回オリンピック開催を前に譲位しようとする天皇の意図も、穏健さの表れとして好意的に解釈されがちだ。しかしその作業は、身分等の差別を含んで広がる格差をあたかも平らに地ならしするように装いながら、その作業をする天皇自身は、格差の頂点あるいは格差の枠外に座り続けるという理不尽をあらわしているのである。
もちろん日本の中だけでない。アメリカからやってきたトランプのような乱暴な人気取り差別主義者でさえ、天皇一家の儀礼的空間をくぐれば、彼の犯罪性を薄めるかのような政治的効果を生み出したりもする。天皇は、かつて自分の親たちが侵略戦争でアジアの地を血で染めたことを原理主義の行き過ぎとしてしか顧みないのだろうか。近い将来、短絡的で好戦的な支配者たちが朝鮮半島で一線をこえることがあれば、天皇たちは静かなお墨付きを与えるのだろうか。
今、代替わり儀式のみならず、天皇のあり方を問うこと自体に委縮する状況ではある。
これまで述べてきたような「平和天皇」の姿は、天皇制に異を唱える存在に対する右翼の暴力と、それを黙認する警察によってはじめて成り立っている。
このことを放置し看過すれば、表面的な政治変革さえまっとうされないし、格差の下層におかれた人々が孤立した末に天皇教のようなまがいものにしか希望を見いだせないという悪循環が続くことになってしまう。
天皇代替わり儀式は、そもそも血縁が(男子を通してのみ)長い歴史を経て続くという天皇一家の宣伝の場であり、いつわりの権威づけの核心でもある。その思想のために、どれだけの性差別と、優生思想とが生み出され、どれだけの生身の人間が絶望の淵へと追い込まれたことか。結集された怒りこそが天皇制、天皇制的なものを終焉に追い込み、真に素朴な関係性で人が生きる社会へと展望を開くだろう。
天皇制はいらない! 天皇制を終わりにしよう!
2017年11月26日 集会参加者一同
●抗議声明「天皇主義右翼による、立川テント村宣伝カー破壊を許さない。暴力に萎縮せず、反天皇制の声を大きく上げよう!」
11月23日、陸上自衛隊立川駐屯地で行われた「防災航空祭」に抗議していた、地域の反戦・反基地団体「立川自衛隊監視テント村」の宣伝カーが、街宣右翼によって1時間にわたる攻撃を受け、フロントガラスやサイドミラー、ランプなどが破壊されるという事態が起こった。
テント村の宣伝カーは、昨年11月20日の吉祥寺で行われた「天皇制いらないデモ」でも襲撃・破壊されている。今回も襲撃者が「去年今年とよく壊れる車だなあ」「26日はこんなもんじゃねえぞ」と口にしていたことからも明らかなように、右翼の目的は、反基地運動に対する襲撃であると同時に、明日、11月26日に私たちが行なおうとしている「終わりにしよう天皇制 大集会・デモ」への攻撃であったことは明らかだ。同宣伝カーが、この間の反天皇制デモの先導を務めていることを知った(知らされた?)右翼が、この宣伝カーを狙い撃ちにしたのである。今回、とりわけ防災航空祭抗議行動の終了後、撤収中の宣伝カーを街宣車で取り囲んで執拗に襲撃したことは、それがたんに偶発的な事態ではなく、 きわめて計画的な犯行だったことを物語る。
さらに、私服公安警察や立川署警備課の警察官も、目の前で起こっている破壊行為を黙認していた。天皇主義右翼と警察とが馴れ合って、白昼堂々、好き放題の蛮行がなされたという事実を、私たちは決して許さない。
こうした天皇主義者による暴力、それは「平和天皇」「護憲天皇」と賛美され、いわゆる「リベラル」層からも評価の高い明仁天皇制もまた、現実には暴力によって支えられていることを明らかにする。
世襲の君主という特権身分が「日本国および日本国民統合の象徴」として据えられている。この天皇制という差別的な制度の存在自体が、「絶対敬語」や「人格賛美」を通じて、特別な存在に対するタブー意識を日々作り出し、天皇制の前には私たちの人権や権利は制約されてもやむを得ない、とする感性を生み出す。
右翼の暴力は、間違いなくそのような意識の上に乗って存在し続けているのだ。
右翼暴力の目的は運動を萎縮させることにあり、警察もまた右翼暴力を利用して運動に介入しようと絶えず目論んでいる。だからこそ私たちは、いま、敢えて天皇制反対という声を明確に上げていかなければならない。
「終わりにしよう天皇制 大集会・デモ」(11/26 13:00 千駄ヶ谷区民会館)に結集し、各地域・現場で反天皇制の声を上げていこう。
2017年11月25日
終わりにしよう天皇制11・26集会実行委員会
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立川自衛隊監視テント村 立川市富士見町2-12-10-504 tento72@yahoo.co.jp カンパ振込先⇒郵便振替00190-2-560928 (口座名「立川自衛隊監視テント村」)