【集会報告】東京育樹祭反対行動

一一月一七・一八日、皇太子出席のもと、東京育樹祭が江東区の海の森公園予定地(一七日)と、調布市の武蔵の森総合スポーツプラザ(一八日)で開催された。 

いわゆる天皇「三大行事」として植樹祭が毎年行われているが、天皇が植樹した地域を皇太子が訪れ、「お手入れ」をする儀式が育樹祭(全国国土緑化機構主催、林野庁後援)。今回のそれは、一九九六年の東京植樹祭に対応するものだ。今回「お手入れ」は海の森でおこなわれたが、五〇〇〇人規模の記念式典は、なぜか植樹祭とは関係のなかった武蔵の森総合スポーツプラザで行われた。

首都圏で反天皇制の共同行動をとりくむ「終わりにしよう天皇制!『代替わり』反対ネットワーク」(おわてんねっと)のメンバーは、朝七時に式典会場に続く京王線飛田給駅前に集合し、ビラまき情宣を行なった。

式典開始は一〇時。にもかかわらずこんなに朝が早いのは、一般参加者は厳重なボディチェックを受けるために朝八時に集まることになっているからだ。つまりは、天皇警備のあおりでもある。

一一人が集まり、横断幕を広げてハンドマイクでアピール。最初はほとんど人が通らなかったが、しばらくして明らかに市民の一般参加者がぞろぞろと通っていく。ビラの受け取りは悪くなく、一時間ほどで三〇〇枚近くがはけたが、反対運動の存在を想定していないためか、ビラを見てぎょっとした顔をした人もちらほら。

事前に想定していなかったのは権力の側も同じだったようだ。情宣を始めてしばらくすると、七、八人の私服がわらわらやって来て、写真を撮ったりしていたが、とくに介入はなかった。こいつらは、行動の終了後駅を移動して休憩のために入った店の近くまでついてきて、解散するまで監視していた。

なお、その日の午後、朝のビラまきに参加していたAさんが所用で近所に出ると、たまさか皇太子が通るという。立ち止まって眺めていたところ、二、三〇人の私服に二重三重にとり囲まれて封じ込められてしまった。ちなみに、式典会場から東宮御所に帰るためには遠回りになるコース。どこで寄り道をしてたのか。皇太子の車が通り過ぎてようやくAさんは「解放」された。

天皇・皇族が行くところ、常に人権侵害が繰り広げられるのだ。

(北野誉)