【集会報告】反天連討論集会Alert !!!〜「代替わり」状況へ

 一二月二三日。GHQはアキヒト誕生日のこの日にあえてA級戦犯を処刑する。アキヒト即位後三〇年間、反天連は毎年この日に「天皇制の戦争責任・戦後責任」をテーマに集会を開催してきた。

 今回、小倉利丸さんを迎え、討論集会を日本キリスト教会館で行った。小倉さんは、劣化する近代の価値とグローバルな極右の台頭のなかでの天皇制を、憲法自体の問題、排外主義を江戸までさかのぼり、視点は世界規模で分析する。特殊だと思われている天皇制が、世界で台頭する極右の世界観、価値観と共通すると指摘。最後に伝統と文化の問題についての議論が必要で、それをどういうふうに根底から否定するのかが今の時代に必要なのではと締め括った。

 桜井大子は、五つのポイントから、裕仁、明仁と徳仁を比較整理し、徳仁天皇で天皇制がどのように変わるか探る。メデイアをフルに活用し、皇室の自律・自立を当然の権利として主張しはじめた世代。今後、天皇尊重、君民一体思想がさらに強化されていく可能性が高いと予測。

 北野誉は、「即位・大嘗祭」について秋篠宮発言から二つの問題をあぶり出す。天皇制が果たしている役割は天皇教という一つの宗教として考えるべき。象徴天皇制と政教分離は基本的に矛盾する。憲法それ自体がはらむ矛盾についても問い直すことも意識的にやるベきだと発言。

 最後に天野恵一は、三〇年前の「代替わり」と比較。本島長崎市長銃撃事件を取り上げ、大衆から噴出する天皇の戦争責任問題を消去していくことが、支配者たちの最大のテーマであった。現代それが成功しかかっている状況であるという。そして、わだつみ会の声明にも触れ、アキヒトの護憲発言の欺瞞をキチンと批判したものであり、そこからいろいろな闘争が始まったが、今、アキヒト即位の始まりにあった問題を、一から考え直さなければいけないと問題提起した。

 リベラル派といわれる学者たちが、情けないほど次々と天皇になびいていく。そのなかにあって、今回の「代替わり」で私たちが何を問題にし、反対の声をあげていかなければいけないか、確信がもてた集まりだったと思う。参加者九六人。継続は力なり。報告を書きながら私はこの言葉を噛み締めた。      

(桃色鰐)