【集会報告】天皇の〈代替わり儀式〉と象徴天皇制を考える・練馬集会

 「アキヒト退位・ナルヒト即位問題を考える練馬の会」は、一七年の一二月に開催した第一回の集会から、この日の集会まで、一一回の集会・公開学習会を重ねてきた。一〇月二九日の今回は、締めくくりとして中島三千男さん(神奈川大学名誉教授、日本近現代思想史)に「天皇の〈代替わり儀式〉と象徴天皇制を考える」としてお話を聞いた。

 中島さんは、今回の儀式の決定の過程を詳しく整理し、天皇の代替わりの儀式が「確立」されたものではない、明らかに「創られた伝統」であることを、葬送儀礼や中国的な即位儀礼、大嘗祭の不執行・廃絶や即位灌頂などの具体的指摘とともに説明した。近代日本に至って、明治中期に整備され成立した国家神道の「教義」をイデオロギー的な核心に押し上げると同時に、儀式法制である「登極令」が明治末期に成立、今回の大がかりな代替わり儀式は、捏造された「伝統」を国家の強制により再現させ、新たな「伝統」として塗り固めていく政治過程なのだ。中島さんは、明仁や徳仁の即位儀式についても詳しく分析、前回に比べて批判が封じ込められていることや、世論を「良い天皇」意識に誘導されることにより、これらがなしくずしとなり、今後は、改憲や軍隊との結びつきが進められると思われることを、厳しく指摘した。

 参加は五〇名。練馬の会としては、一二月一八日に総括集会を練馬産業プラザで開催して解散、来年の五輪や自衛隊の問題をあらためて活動として提起していく。ご参加を!        

(蝙蝠)