【今月のAlert 】さあ、「不安」と「恐れ」と「怒り」の行動だ!

 三月二四日、政府は「立皇嗣の礼」として「立皇嗣宣明の儀」と「朝見の儀」の二つの儀式を四月一九日に国事行為として行うことを閣議決定した。「新型コロナ感染拡大」がすでに大きな問題となりつつあったときだ。この「立皇嗣宣明の儀」で、秋篠宮は次なる天皇という身分の「皇嗣」となったことを国内外に宣言する。政府の見解では、この二つの儀式を迎えて天皇「代替わり」一連の儀式すべてが終了となる。ちなみに二つ合わせて四五分足らずの儀式にかける費用は約四〇〇〇万円。今年度(今年四月以降)の「皇位継承関連」予算はこの「立皇嗣の礼」を含め、上皇夫婦と秋篠宮一家の住居改修費用で二三八億円だ。このご時世になんたる無駄遣い。言葉を失ってしまう。

 報道によれば、新型コロナ騒ぎで「祝宴にあたる『宮中饗宴の儀』を取りやめ、『立皇嗣宣明の儀』の招待者を当初のおよそ三五〇人から五〇人程度に絞り込んだ」という。招待者五〇人とはいえ、関係者を含めれば相当の人数になるに違いない。この儀式がクラスターになるといった懸念は考えないことにしているのか。東京都下ではほとんどの公的会場は閉鎖に追い込まれ、人が集まることを自粛させるための同調圧力が重たくのしかかっている。そのようななかで、おそらく感染回避のためにもさらに金を使い、儀式は予定通り遂行されるのだ。政府や都の「外出自粛」要請によって生活困難や死と直面させられる人々が続出している状況にあって、「慈愛」を売り物とする皇室はこうやって無駄遣いをつづける。「儀式」くらい自粛しろ。中止だ中止! 家の改修も諦めろ!

 今年も例年どおり、反天連も呼びかけ団体となって4・28ー29連続行動の実行委を立ち上げ、「立皇嗣の礼」への抗議行動も含め連続の行動を準備してきたが、ここにきて会場閉鎖の憂き目にあっている。それだけではない。どの運動現場もそうだが、新型コロナ感染拡大問題は、同調圧力とは別次元のところで私たちにさまざまな判断や決断を迫ってきている。行動を呼びかけること自体の是非についても議論しなくてはならない状況が続いているのだ。そこには感染拡大に寄与するかもしれない、あるいは自身も感染する可能性があるという不安と恐れが横たわっている。実行委は議論を重ねた結果、やや異例の形となるが、以下のような結論に達した。

 先月すでにチラシ等で伝えている4・19の「天皇も跡継ぎもいらない、アキシノノミヤ立皇嗣を認めない」討論集会は会場閉鎖で中止。代わりの行動として東京駅前にて情宣行動を実行委有志で呼びかけることとなった。討論集会では、「秋篠宮論」と「皇位継承問題」について討論することとなっていたが、この街頭行動でも参加者とともに少しでも意見を交えていければと思う。また、「今こそ問う『安保・沖縄・天皇』4・28ー29連続行動」も、会場閉鎖により二八日の吉田敏浩さんの講演集会は中止(あるいは延期)。二九日の反「昭和の日」デモは実行委有志の主催で呼びかける。実行委としては、4・19に向けて抗議声明を出すことで一致。

 このパンデミック状況下で、日本の、東京の状況をどれくらい的確に私たちが把握できているのか心許ない。はっきりしているのは、そのための判断材料が不十分すぎるということだけだ。政府や都、公的機関が送りつけてくる情報は正しいのか、足りているのか、まったく信頼などできないなかで、ただ不安感だけが増幅させられるような状況に人々は置かれている。 異常事態である。新型コロナは怖い。しかし情報隠蔽と「ひきこもり」作戦だけを押しつけ、その徹底のための強硬な措置を考えるだけで、疲弊する社会を救う手立てを真剣に考えない今の政治への怒りの方が大きい。一方で多額の税金を「こんなときに?」と呆れるようなタイミングで行う儀式に費やす。怒りは増すばかりだ。

 声を上げたい人は、

●一九日は東京駅前(丸の内側)一五時、皇居から伸びている「行幸通り」(丸ビル前の広場)へ!
●二九日は千駄个谷区民会館に一四時。
●マスク必須、少しでも体調が悪い場合の無理は禁物、としましょう。「細く長く」でも今はいい。

 がんばれるところでガンバロー!

(桜井大子)