一昨年一二月一二日、靖国神社外苑で「南京大虐殺を忘れるな」という横断幕を掲げ、日本の侵略戦争と軍国主義に抗議した香港のグオ・シウギさんと、その行動を撮影し配信していたフリーランスジャーナリストのイム・マンワさんはその場で警備員の手で警察に引き渡された。二人は逮捕・起訴・ 一〇ヶ月に及ぶ拘禁の末、昨年一〇月、東京地栽でグオさん八ヶ月、イムさん六ヶ月、執行猶予三年という不当な有罪判決を言い渡された。たった一分足らずの抗議行動に対する過酷すぎる仕打ちだった。二人は直ぐに控訴し、先日六月二四日、控訴審公判の第一回が開催された。
二人を支援する、「見せしめ弾圧を許さない会」では、この控訴審に向けて二人の無罪を訴える署名を呼びかけた。コロナ感染拡大で署名をお願いする機会が皆無の約一ヶ月間、郵送とウェブだけが頼りの署名は、五八一筆。泣きたくなるような筆数だが、ウェブではたくさんの意見をいただいた。心強い思いで、公判二日前の二二日、裁判所前でのアピール行動と高裁第五部刑事部に署名を提出した。
しかし、なんと第一回公判で結審。次回判決を言い渡される。弁護団と許さない会は、判決まで諦めずに無罪を訴えていく。彼らは、侵略戦争も南京大虐殺もなかったという恐ろしく歪んだ日本社会の歴史認識に批判を突きつけた。その二人を見せしめ的に弾圧する国家権力とそれに追随する司法を容認するわけにはいかない。彼らを有罪にすることで、この社会の歴史認識はまた一歩後退する。ともに声をあげていただきたい。
(大子)