七月一二日、「東京オリンピック・パラリンピック2020を問う練馬の会」による講演集会が、練馬区役所の地下会議室において開催された。
東京都練馬区には、陸上自衛隊練馬駐屯地と、同・朝霞駐屯地があり、朝霞駐屯地には陸上自衛隊の総隊司令部、練馬駐屯地には第一師団が置かれている。東京五輪では、陸上自衛隊朝霞訓練場がライフルやピストルの大会会場として使用される予定だ。この種目は、各国ともに軍隊警察関係者がほぼすべて。区教育委員会などは、生徒らとの「交流」イベントや動員を「授業」の一環としても予定。この、ど真ん中の軍隊のパブリックリレーションズに反対するため「練馬の会」は結成された。
福島原発告訴団長でもある武藤類子さんは、事故後9年を過ぎてもなお、回復どころか除染もされておらず、廃棄物、汚染土や水が膨れ上がるばかりの現状を指摘。特定のわずかな地区のみの「除染」を「成果」として五輪と結びつける、嘘にまみれた国や東電らのやり口を告発した。安倍は「復興五輪」をコロナ「克服」とも結びつけるが、福島「イノベーション・コースト構想」は原発交付金のすり替えに過ぎないし、原子力「緊急事態宣言」はいまなお解除すらされず、コロナを加えて二重の「緊急事態」にあるのが現実なのだ。「オリンピックどごでねぇ!」との怒りが胸に残った。
発言の二人目は、「2020オリンピック災害おことわり連絡会」で、「延期」とされているこのオリパラが、それほど矛盾に満ちたイベントであるかを、さまざまな方面から説得的に展開した。さらに三人目は、これまで反貧困ネットで活動してきた瀬戸大作さん。現在、その活動に加え「新型コロナ災害緊急アクション」として対応を広げており、この日も突然の依頼で相談者保護の対応をしてきたばかりとのことで、突然仕事を奪われる形になった多数の人びとがいる重い現実について報告された。
区の施設のため、より「密」を意識して席数を絞りながら、六二名の参加と、発言者への支援カンパを集めることができた。会としては、これ以降も、一〇月に岡崎勝さんをお呼びしての集会などを予定している。
(蝙蝠)