二〇一〇年より、四月二八・二九日の両日を連続行動として取り組んできた。今年は二八日が「安倍靖国違憲訴訟・東京」の裁判の結審の日と重なった(「ネットワーク」参照)ために、二九日に、知花昌一さんを招いて「沖縄にとっての天皇制と日米安保「日の丸」焼き捨てから30 年、ゾウの檻から21 年」のサブタイトルで千駄ヶ谷区民会館で集会を行った。
マルクス主義の活動家だった知花さんが浄土真宗の僧侶になり、「革命家親鸞」の思想を軸とした視点から、沖縄の運動、安倍政権、天皇制について、運動体験を通して今の思いを実に味わい深く語ってもらった。
知花さんは複雑な気持ちで、今でも「日の丸」を持っているという。サンフランシスコ講和条約によって日本から切り捨てられ、アメリカの軍事独裁施政権下で、「戦後憲法があり、基本的人権が守られ、経済発展が遂げられる」と復帰を願う青年知花さんや沖縄の人々の熱い思いがその言葉から伝わり感慨深い。後に「日の丸」を焼き捨てながら、片方で捨てることができない、何十年も闘い続けた歴史がそこにある。「安保反対であればそのことを貫き、沖縄と日本の関係をどうするのか。自分たち民衆の力の弱さというものをちゃんと認めながら、もう一度向き合うことが必要だ。そして緩やかに深みのある、余裕のある運動を展開していければいいんじゃないか」と結ばれ、後一〇年は闘っていきたいと話を終えた。
続いて実行委から天野恵一が、サンフランシスコ講和条約締結から始まる象徴天皇制国家成立や、アキヒトの「生前退位」メッセージをめぐる問題について。
象徴天皇制国家をヒロヒトの代で確立し、アキヒトが引き継いでいる構造は歴史的にみれば区別する次元の問題ではなく、連続性のなかで問題を考えていくことが必要だという。運動についても天皇制・沖縄と長い抵抗の歴史の中で地下水脈のように続いている流れを踏まえて、今の状況を考えていかなければいけないだろうと発言。
最後に、基地・軍隊はいらない!4・29 集会、辺野古への基地建設を許さない実行委員会、安倍靖国違憲訴訟・東京、6・3天皇制いらないデモ実行委員会、「2020年東京オリンピック」おことわり連絡会、共謀罪創設に反対する百人委員会、自由と生存のメーデーの七団体からのアピールを受け、GW初日で賑わう原宿から渋谷まで「天皇制はいらない!」の声を響かせデモを行った。集会参加者一五〇人。
(桃色鰐)