【今月のAlert】ここまできた「翼賛国会」を許すまじ、そしてまずは4.29行動へ!

またしても、疾風怒濤の一ヶ月が過ぎた。深刻かつ緊急を要する課題が私たちの頭上を猛スピードで駆け巡る。沖縄への米軍基地押しつけ問題、共謀罪、原発、オリンピック、森友学園等々、具体例は出し尽くせない。そして、目をそらせばそれらは大きな波の中に埋もれてしまい、見なくてすむかのごとき錯覚を作り出す。間違いなくその大波は私たちを襲ってくるのだが。

当然、その怒濤には天皇の「退位」をめぐる問題も含まれている。ただ、その深刻さ・緊急性の高さに比し、直接的な被害・加害、あるいは社会的弊害は極端に見えづらいものとしてあり、天皇制を問題であると捉える人びとは少なく、むしろ無関心的容認派が圧倒的なマジョリティとしてある。私たちは、さまざまな課題にゆさぶられ、社会が根底から崩されつつあるいまの事態に、私たちの役回りとして、これまでどおり天皇制の問題を訴えていかねばと改めて思う。

天皇の「退位」については、一月の「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」論点整理が示した「一代限りの特例法」を下敷きに、衆参両院正副議長が「議論のとりまとめ」で各党・各会派との調整と修正を重ね、三月一七日、与野党がそれに合意、三月二二日には有識者会議の四人の専門家へのヒアリングと続いた。「とりまとめ」では大枠の形が出され、さらなる「天皇の意向」や宮内庁主導で動く事態も見えてきている。また、「退位問題」をめぐる言説が、天皇制をより差別的・権威的なものに再定義するという、お馴染みの事態も生じている。

特例法の名称は「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」。民進党をはじめ、「恒久法」を求めていた党・会派を合意させたのは、典範の付則案として出された「天皇の退位について定める『天皇の退位等に関する皇室典範特例法』は、この法律と一体をなすものである」の一文だ。報道によれば、「天皇の退位」ではなく、「『今上天皇の退位』として、今の天皇だけというニュアンスを強めたい」と主張していた安倍の妥協の結果という。これで、「一代限り」だが「将来の天皇が退位する際の先例」になるということらしい。苦し紛れの「苦心の『総意』」ということだ。

「恒久法」派で粘った民進党に「とりまとめ」合意に向かわせたカギはもう一つある。「【安定的な皇位継承】政府は女性宮家創設等を検討する」の一項目だ。
二〇一二年末の民主党政権下の「女性宮家」創設騒動は記憶に新しい。実は民進党への「配慮」による修正はほかにもある。「特例法」に、退位に至る事情の一つとして天皇の「お気持ち」を明記するというのだ。「恒久法」を主張する派は、もともと天皇の意向を忖度する政治を是とするからこその「恒久法」派なのだが、これが極右安倍政権に対する圧倒的マジョリティであることの問題は深刻この上ない。民進党の野田幹事長は「特例法」を「事実上の第二皇室典範」と喜び、翼賛国会は続く。「国民の総意」は無視。

細々としたことについても案は出そろいつつある。天皇の退位後の呼称は「太上天皇」の略称とされる「上皇」案が優勢。敬称は「陛下」。葬儀は「大喪」。墓は「陵」。補佐機関を「院宮職」(「院宮」は退位後の天皇を表す)。「品位が保たれる額」の経費確保。すべて「格下げ」にはできない、という理由だ。秋篠宮は「皇太弟」か「皇太子」案と「秋篠宮」踏襲の政府案、待遇は皇太子と同等。天皇は、退位後の公的活動を退く意向を表明。懸念されていた「二重象徴」をこれで回避するという。住居は退位後は現在の「東宮御所」で調整。新天皇は「御所」、秋篠宮は現在の「宮邸」を増改築など、宮内庁が検討しているという。憲法も法律も国家予算も、天皇の「意向」一つで簡単に変えられるという「先例」が作られ、それが新しい天皇制として認識され始めている事態となっている。

最後に「女性宮家」について少しだけ。伝統主義右派は「女性宮家」反対の理由として「女系天皇に道を開く」と言ってきたが、そのことは私たちも知っておくべきであろう。「女性宮家」に男子が産まれた場合どうするのか、さらに差別的な規定をつくって一族から排除するか、皇位継承者の一人とするのかという問題がすぐに生じるわけだ。あるいは、女性宮家に入る男(「民間人」)はいるのか?その待遇は?ウンザリする話ばかりだ。こんな制度はさっさとやめるしかあるまい。

このようななか、私たちは、4・28 -29 行動として四月二九日に集会とデモを準備中である。沖縄から知花昌一さんをお招きし、「日の丸」焼き捨てから三〇年、「沖縄にとっての天皇制と日米安保」について語っていただく。

天皇制の問題は広くて大きい。一つひとつ自分たちの課題として提示していきたい。多くのご参加を!

(桜井大子)