実は、反天連メンバーの多くも原告として参加している、安倍靖国参拝違憲訴訟(東京)。二〇一四年の提訴以来、これまで一一回にわたって口頭弁論を重ねてきたが、二月六日、最終弁論が開かれて結審した。
最終弁論は、まず原告五人の意見陳述から。吉田哲四郎(神奈川平和遺族会)、渡辺信夫(元牧師)、岡田良子(平和運動活動家)、佐野通夫(教育学研究者)、北村小夜(元教員)さんから、それぞれの立場で、自己の体験をふまえた思いのこもった訴えがなされた。続いて弁護団から最終準備書面の陳述。被告側(国・靖国神社・安倍)のぺらぺらな書面に対して、原告側で準備した最終書面は二五四頁という大作である。もちろん全文を読むことはできないので、三人の弁護士が要旨を陳述した。最後に木村庸五弁護団長が、「本件のような、政治部門による明らかな違憲行為を、司法がくい止めることができないならば、権力の暴走を制止することができなくなり、立憲民主制は破壊されることになります。原告らの本件請求を認容することによって、立憲民主制下において基本的人権擁護という最も重要な役割を与えられた裁判所が勇気をもって判決をされることを切に願いつつ本弁論を締めくくります」と述べて終了した。
東京地裁での判決言い渡しは四月二八日(金)一六時三〇分からだ。そのあと、後楽園近くの文京区民センターで報告集会も予定されている(一九時から)。靖国訴訟は関西が先行し、すでに控訴審を闘っていたが、この二月二八日には大阪高裁の判決が出た。一審判決もひどかったが、憲法判断を避けたばかりでなく、その必要もないと言い切った「糞判決」(某弁護士)。東京の訴訟も、これまでの道理を尽くした原告・弁護団の訴えで、「勝訴判決を書くための十分な材料を裁判所に提供した」(弁護団長)といえるが、この政治状況は決して楽観を許さない。ぜひ傍聴と注目を!
(北野誉)