【集会報告】「天皇賛歌」にうんざり!「女性(的)天皇制」の今とこれから

一二月四日、女性と天皇制研究会(女天研)連続講座が加納実紀代さんを招いて特別講演会を開催した。参加者は五〇人を超えた。

加納さんは、天皇に対する意識調査で、裕仁天皇から明仁天皇に代替わり後、「好感」「尊敬」が上昇し、もともと地を這うような少なさの「反感」がさらに減っていることを指摘するところから話を始めた。そして昨年の「生前退位」メッセージ。有識者会議では「容認」はギリギリ過半数で、一代限りの特別法と恒久制度で意見が割れているが、世論調査では八割以上が「賛成」という、現天皇への支持の高さを紹介する。加納さんの「右翼の反対」「左翼の賛成?」という分析は少々乱暴にも思うが、「リベラル」層の大半が賛成であることには間違いなく、ぞっとする状況だ。

本題はここから。近代以降の天皇が男権性を確立する一方で、皇后が登場することで女性(母)性性を発揮してきたことを、『国体の本義』「畏くも天皇は、臣民を「おほみたから」とし、赤子と思召されて愛護し給ひ……」や、三島由紀夫『英霊の声』「われらの大元帥にしてわれらの慈母……」等を引きながら指摘。そして敗戦後、天皇は女性化し民主天皇をアピールしたとする。「近代天皇制は男性化によって軍事的に拡大し、危機にあたって
女性化することで生き延びてきた」と。

そして現在、天皇の「慰撫」路線は安倍軍事化路線の抑止力になるのかと問い、むしろ民衆の怒りを慰撫・沈静化するものでしかなく、「問題はそれを有り難がり癒される国民の側にある」と手厳しい。しかし対案としての公共的な親密圏の構築も提起された。久しぶりの加納さんの天皇課題の話に会場は共感しながら聞き入った。

質疑応答では、天皇制はすぐに廃止などできないし、まずは「女性天皇」の容認という「目の前の差別」の是正が必要では、との意見が出た。若干の議論があったものの、今後の大きな課題が残ったと思う。

(大子)