【集会報告】24条変えさせないキャンペーン キックオフシンポ

秋の国会が始まり、改憲問題は早々に俎上に載せられつつある。この国会を迎え撃つように、九月二日、「24条変えさせないキャンペーン」のキックオフシンポジウムが上智大学で開催された。同実行委員会の主催で、参加者は約一八〇人とのこと。

メインのスピーカーは木村草太(首都大学東京)。しかし彼の話は、このキックオフシンポのためになされたとは言いがたい内容で、憲法24条問題にかかる自民党草案についても「相手にする価値がない」とまで言う始末。24条の意義や成立過程など基本的な話も、後半の発言者の一人で呼びかけ人でもある清末愛砂が、家族主義と新自由主義について語る中で展開したが、そちらに譲った感じであった。メインスピーチの後、対談の相手として登場した北原みのりは、改憲草案24条の問題を改めて訴え、「すでにキックオフされている」と切り返し、会場の空気を盛り返していった。

後半は、能川元一(大学非常勤講師)、清末愛砂(室蘭工業大学)から一〇分ほどの発言。引きつづき赤石千衣子(しんぐるまざあず・ふぉーらむ)、打越さく良(弁護士)、大橋由香子(SOSHIREN女(わたし)のからだから)、戒能民江(お茶の水女子大学名誉教授)、藤田裕喜(レインボー・アクション)と五分間スピーチが続いた。私も女性と天皇制研究会として発言した。天皇の「生前退位」メッセージが出てまもなくのことでもあり、天皇メッセージにある「伝統の継承者」発言をひきつつ、家族国家的な安倍政権の体質と自民党改憲草案24条および前文について問題提起した。五分という短さもあり、珍しく詳細なメモを作って準備したが、それでも、「時間ですよ」の札をみせられる羽目に……。

後半は、それぞれの専門あるいは運動の立場からの問題提起で、短時間の濃密な発言が相次ぎ、興味深く充実した時間だった。また、天皇制の課題が、さまざまな課題とクロスしていることを再認識する機会ともなった。

(大子)