【傍聴報告】靖国参拝違憲訴訟第九回、一〇回口頭弁論

安倍靖国参拝違憲訴訟の第九回、一〇回の口頭弁論が九月五日と一二日に東京地裁103法廷で行われた。

原告でありながら、平日の昼間の傍聴にはなかなか参加出来ずにいたが、今回は裁判も山場で、原告一四人の尋問が行われるということなので、仕事を休んで傍聴した。

弁護団は書面による証拠調べに加え、専門家五人(吉田裕、木戸衛一、張剣波、南相九、青井未帆)の生の声による証人尋問の必須を訴え、証人採用の請求もしていたが、こちらは却下されたということだ。

法廷に入り着席すると、弁護団、裁判官、被告である国、首相、靖国神社の各代理人の各机上には、弁護団が作成した準備書面が、崩れ落ちそうなほど山積みにされていたが、これだけの書類を作成するのは、本当に大変なご苦労だっただろう。

五日は、関千枝子、池住義憲、森田麻里子、辻子実、一戸彰晃、根津公子、三浦永光、松本佐代子(米田佐代子)各原告の証人尋問が行われた。割り当られた時間は一人三〇分。戦争がもたらす悲劇、踏みにじられる人権、このようなことを二度とおこさせないという気概に満ちたそれぞれの生き様をも感じさせる、権力と対峙する凛とした証言に私の目頭は熱くなった。反天実の8・15のデモに触れ、「靖国」支持者たちの暴力的行為も証言された。戦争に人々を動員させる装置としての「靖国」。「慰霊・顕彰」の施設は戦争国家に欠かせないものであるという靖国の闇が法廷に浮かびあがった。一〇時半から一六時過ぎに及ぶ長時間だったが、その場に立ち会えて本当に良かったと思う。

一二日は、中国、香港、韓国、ドイツと日本人の残りの原告証言(王選、許朗養、星出卓也、山内斉、李熙子、金鎮英)が行われたが、裁判所が手配した通訳は、言葉の壁を思い知らされるお粗末なもので非常に残念であった。当初、七三一部隊の残虐で非人道的な行為を告発してきた中国人の胡鼎陽さんの証人尋問が予定されていたが、ビザを発給しないという国による妨害が行われた。抗議声明が出されているので参照されたし。今後の裁判の流れはAlertでもお知らせするので、注目を!

(桃色鰐)