【今月のAlert】7.18,7.30,8.15と続く反天皇制行動へ! ─諦めず、ねばり強く、頑張るぞ!

私たちは第X期突入後、本紙一号もなんとか無事発行を迎えられ、少しホッとしている。

X期スタートのため議論は、初期反天連のそもそもの課題であった「Xデー」を再度迎えつつあるという認識から、過去と現在を行ったり来たりしながらのものとなった。その議論の成果については、本紙0号(先月号)の呼びかけに詰め込まれている。ぜひ参照されたい。その事前議論も踏まえ、七月二日、第X期スタートを期して討論集会を持った。パネリストは近現代史研究者の伊藤晃さん、立川自衛隊監視テント村の井上森さん、反天連の天野恵一。パネリスト間での議論、参加者をまじえた全体討論、それぞれが今後の活動に示唆となるものばかりであった。いわば第X期のためのウォーミングアップといったところで、議論は始まったばかりだが、どのような形であれ、今後も議論は続けていきたい。

とはいえ、日々私たちの眼前に深刻な事態として性急に迫ってくる出来事は、一般的には天皇制課題とは無関係であるとされ、いつ起こるかわからない「Xデー」とはそれこそ無縁のこととして起こっている。私たちはこれまでどおり、反戦・反基地、反原発、反差別、反弾圧、反安倍の運動の現場で、反天皇制の立ち位置から、できるだけ声を発し意思表示していくことで、自分たちの反天皇制運動を作り出していくしかない。

しかしそれにしても、第X期準備のためにニュース通常号を一号スキップしただけのこの二ヶ月で、言及しきれないほどの恐ろしくも深刻な問題が矢継ぎ早に起こり続けている。五月二〇日に判明した在沖縄元米兵によるレイプ・殺害・死体遺棄事件。五・二六─二七の伊勢・志摩サミットとその直前のサミットに抗議する人びとへの不当弾圧、G7各国首脳の伊勢神宮訪問(神宮側は「参拝」といっている)、そしてサミット終了後の二七日のオバマの広島訪問。五月三〇日、シリアで行方不明となった安田純平さんからの「最後通達」と読めるメッセージと明らかに彼を見捨てたと思える日本政府。七月一日には、バングラデシュで日本人七人を含む「外国人」殺害。日本が「テロ」の対象であることを知らしめる事件だった。これらはごく一部である。この状況の推移には正直目がまわる。

過去の侵略戦争・植民地支配に対する政治的・道義的責任を完全に終わらせること(果たすことではなく)を目指す安倍政権は、一方で新たな戦争国家の形を作り出す動きに加速しているが、目もくらむような現在の事態は、この安倍政権に行き着いてしまうような戦後日本の政治を、根底から見据えることができなかった運動側の長い歴史の結果でもあるのだ。そこにこそ、反天皇制の課題も繋がってくる。

一方で、五月三一日の根津公子さんの最高裁の画期的な判決があった。「君が代」不起立を通すことで、学校現場から日本国家を相手に闘い続けてきた根津さんの、粘り強く続けられた運動の成果だ(本紙「状況批評」参照)。それは、暗い諦念の気持に陥りそうな運動への大きな励ましと勇気を与えてくれる快挙であった。もちろん根津さんの勝利は、決して容易ではない「諦めない」活動の結果であることも忘れてはなるまい。そういう意味でも、根津さんに続け!という思いを多くの人が抱いたに違いない。

また、国会前にも相変わらずたくさんの人が集まっている。六月一九日の「怒りと悲しみの沖縄県民大会に呼応する『いのちと平和のための6・19行動』」では、駅から国会正門前を目指して歩く道中の人の少なさに気持は暗くなりかけていたが、正門前の憲政記念公園に足を踏み入れると、実にたくさんの人が国会と対峙していた。一万人が集まったという。諦めている場合ではない、という思いの人は実は少なくないのだと思いながら歩いた。七月四日、第八回口頭弁論を迎えたばかりの安倍靖国参拝違憲訴訟も元気に闘われている。どれも負けるわけにはいかないのだ。
明日は参院選、一週間後には都知事選。「選挙で社会を変えよう」というスローガンにはまったくリアリティを感じられないものの、このひどい状況で安倍政権に勝たせたくないという思いは強い。だから選挙には行く。そして、私たちの当面の課題は八・一五だ。実行委は七月三〇日、その前段集会を開催する。また、七月一八日には今年の海づくり大会開催地の仲間の呼びかけで、実行委も集会を持つこととした。そして八・一五デモだ。

多くの方の参加を呼びかけたい。ともに元気に声をあげよう!

(大子)