【今月のALERT】「退位・即位・改元」がつくり出す天皇フィーバーをはね返そう!

一二月一日、天皇「退位」、新天皇「即位」、「改元」のそれぞれの日程が明らかになった。同日開催された「皇室会議」で、出席者の意見をもとに議長の安倍が二〇一九年四月三〇日「退位」、同年五月一日「即位・改元」案を示し、決定した。報道どおりであれば同月八日閣議決定する。

皇室会議出席者は「皇室典範」で定められた、首相、衆参両正副議長、最高裁判所長官および裁判官一人、宮内庁長官、皇族二名の一〇名と、菅官房長官。皇室典範規定からはずれる官房長官の出席は、「退位を実現する特例法の担当閣僚」としてという理由づけがなされていたが、この規定外行為はあきらかに官邸側の圧力を見える形にしたものであり、政府・宮内庁間の確執の一つの表れだと見た方がいいだろう。

日程については、「国民の便宜優先」の政府案(年末・年始)と「天皇の私的行事優先」の宮内庁案(年度末・年度初め)が拮抗する様相にあったが、結果は思いもよらない、体制的な「区切り」さえも感じさせない第三の案となった。この日が選ばれた理由を、「国民」がこぞって天皇の退位と新天皇の即位をことほぐにふさわしい日とするためと説明している。

「国民の便宜」などという体のいいことを言っていたが、ここにきて、天皇の代替わりを「国民」こぞってことほぐ日にするというのだ。「改元」を何かの区切りとすること自体を拒否し、「元号」そのものに反対する私たちの立場からすれば、どのような理由でもいらないとだけ言えばよいところだろうが、この公式の理由は大いに問題としていきたい。
天皇制に対する多様で自由な意見を寄せつけないこのような政府の説明こそが、思想・心情の自由や表現の自由を社会的に縛っていくものであることを強調しておきたい。こういった社会風潮、根強いタブー意識に支えられて右翼の暴力と警察の弾圧が介在することも。

そして、マスメディアの天皇報道についてはこれまでも繰り返し問題としてきたが、この「代替わり」を巡っても、天皇を心配し、あるいは退位を惜しみ、新天皇即位に新しい時代を喜ぶと言った声ばかりを拾い集めては、大量に流し始めている。そのメディアに誘導される形で人々は皇居へ向かったり、マイクを向けられると同様の言葉を口にする。それは反復し再生産され、人々を天皇フィーバーに煽り続けている。

こういった状況下で、そうではない感じ方・考え方があり、それもありなのだということ。しかしそれが「ありではない」社会となっていること。そしてそれがいかに歪で不自由で不平等、かつ危険な社会であるのかを伝えていくこと。反天皇制運動はこの地点から一歩も前進していない。でも、諦めているわけではないし、諦めるわけにもいかないのだ。

実際、昨年の天皇の「意向表明」以来、首都圏だけでもこの課題でたくさんの集会やデモが持たれているし、全国的にも私たちが知る限り関心は拡がり、集会なども開催されている。だが、反天皇制を掲げるだけで右翼が動き、警察が大量動員されるという事態は変わらない。

昨年一一月二〇日の吉祥寺デモの惨状はすでに本紙でも伝えた。一年後の一一月二三日、反天連も実行委として参加している「終わりにしよう天皇制11 ・26 大集会とデモ」で使う予定の宣伝カーが、このデモで使用することを理由に再度の襲撃にあった。フロントガラスやサイドミラーが割られ、車は満身創痍状態となった。この日、陸上自衛隊立川駐屯地で行われた「防災航空祭」に対し、立川の仲間が抗議行動を行ったが、その終了後、車の移動中を襲うという卑劣なやり方と度を超した暴力を警察は黙殺した(抗議声明参照)。しかし車は復活し、三日後の集会・デモでは大活躍した。すごい!(拍手) この集会は、首都圏で天皇制問題を考えてきたグループ・個人が集まってできた実行委主催で、久しぶりの大きな枠の実行委である。

この緩やかで力強い実行委や例年の反天皇制実行委、そして全国の天皇制に異議申し立てする人々とともに、「退位・即位・改元」「即位礼・大嘗祭」と続く、天皇代替わりが造り出す天皇賛美状況、天皇の更なるタブー化、まつろわぬ者たちへの暴力と弾圧、差別・排外的言動に抗していきたい。

最後に、恒例の反天連主催12 ・23 集会への参加を呼びかけたい(チラシ・インフォ参照)。ぜひお集まりください!

(桜井大子)