【集会報告】「天皇退位特例法」反対の意思表示をやりきったぞ!

天皇の意向表明から始まった「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」案は、五月一九日の閣議決定後、六月二日衆議院、九日参議院を「全会一致」で通過。しかし、黙ってはいないぞ、と私たちもバタバタと動いた。

反天連も参加する反天皇制運動の実行委員会は、4・29 行動終了後、大急ぎで8・15 行動実行委の準備会を起ち上げ、立憲主義も民主主義も問答無用で切り捨て、成立を急ぐこの法案に抗議の声をあげるための取り組みを開始した。

「特例法案」閣議決定の日程はすでに報道されていた。私たちはその日に向け、国会(議員)に対する廃案を求める抗議文と、天皇宛ての抗議文をそれぞれ用意し、団体による共同声明として出すための準備に入った。閣議決定当日まであと三日足らずというなかで賛同を募り、一九日当日、それぞれ三五団体の連名で、マスコミ約三〇社、ML等に発信することができた。

二二日には各議員へのポスティング、二五日には国会前で「立憲主義を破壊する退位特例法案反対!」の横断幕をひろげ、抗議行動を行った。

二五日の国会前行動時には、賛同団体はそれぞれ四〇を超え、国会前行動には約三五名が集まった。一時間にわたるリレートークとシュプレヒコールで、反対する者など皆無のように進められる国会に向けて、天皇を敬愛し、天皇の言動に理解や共感を示す者ばかりではないこと、政府が画策する「議会の総意」で「国民の総意」となすことの不当を、また、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」案が、その成立過程も含め、すべてが違憲であることを訴えた。

約一時間の国会前行動の後、総理府・内閣官房の敷地前に移動し、天皇宛抗議文の提出行動を行った。抗議文読み上げ、文書の提出も、あたりまえのことだが何のトラブルもなく、最後までやり遂げられた。文書受け取りに出て来た担当者代理はただ面食らっていたように見えた。

楽しくやりきった、というのが率直な感想だ。平日昼間の、しかも直前の呼びかけにもかかわらず参加されたみなさま、お疲れさまでした。心配しながら、支援を送ってくださったみなさま、ありがとうございました。法案審議中に抗議の声を上げられてよかった。

やればできる。やってよかった。

(大子)

【集会報告】救援すること/されること 浴田由紀子さんを迎えて

五月二四日、大道寺将司さんが多発性骨髄腫で亡くなった。大道寺さんらの行動と思想は、昭和天皇裕仁を攻撃しようとした「虹作戦」や、いまも軍事企業や国策企業としてあり続ける三菱重工三井物産大成建設鹿島建設などへの「企業爆破」などだけで語られるべきものではない。それは、七〇年代から現在まで、狭い意味での政治運動だけでない領域にも影響を与え続けてきた。そのことは、大道寺さんらの行動や思想が抜きんでて優れていたからというわけではない。さまざまな角度や位相から、個人を超えたもっと広く厚い関係性が、はじめは「支援・救援」運動として、そしてその後は獄中と獄外をつなぐ友人関係として、彼らを支え続ける人びととともに作られてきたからこそ生みだされた成果なのだ。

これを担ってきた「東アジア反日武装戦線への死刑・重刑攻撃とたたかう支援連絡会議」が呼びかけた「五年連続」集会の「最終回」が、大道寺さんが亡くなる直前の五月一三日に、文京区民センターで開催された。この集会は、このかん、「東アジア反日武装戦線」としての「前史」を掘り起こすという意図で、彼ら彼女らの知己友人から、いろいろな旧い事実や現在の問題意識などを語らしめてきた。今回は、今年三月に懲役二〇年を満期で出獄してきた浴田由紀子さんを迎え、救援連絡センター事務局長の山中幸男さん、すでに三〇年前に出所している荒井まり子さん、内田雅敏弁護士、池田一さん、伊達政保さん、足立正生さんらが、それぞれの経験と問題意識から語っていった。

浴田さんの発言は、同房だった女性服役者たちのこれまでとこれからに想いを寄せるもので、今後は、彼女らが刑務所に戻らないための取り組みに力をつぎ込みたいという。発言には大きな拍手が寄せられ、二次会でも彼女をとりまく輪は続いた。なお、浴田さんは、獄中で書きためた児童文学「マコの宝物」(えきたゆきこ著、現代企画室)を三月に出版している。

集会の最後に、この「支援連」は、今後はニュース発行や集会などのペースを落としながら持続していくということが報告された。参加者は一九〇名。

(蝙蝠)

【書評】『即位・大嘗祭Q&A:天皇代替わりってなに?』

本紙前号(11 号)の「ねっとわーく」に、安倍靖国違憲訴訟弁護団事務局長の井堀哲弁護士に訴訟の概要から経緯、判決についての報告をしてもらいました。その違憲訴訟の会・東京事務局が『即位・大嘗祭Q&A天皇代替わりってなに?』というパンフレットを刊行しました。そのご紹介です。

昨年八月に放映された天皇が退位の意向をにじませた「お言葉」ビデオメッセージは、天皇退位特例法案として一つの法律を成立させるにいたりました。衆参両院どちらも野次一つ飛ぶことなく、粛々と審議が執り行われているという演出のなかで可決。「国民の総意」に基づいたものとするために、政府と与野党が事前調整を行い議論しないという事態は、まさに「翼賛国会」そのものです。
静まりかえった審議の様子は心底気持ちの悪いものでした。

このパンフは四月二一日に有識者会議が首相に最終報告をした一週間後の二八日に発行。その素早い対応に脱帽です。またその日は訴訟の判決の日でもあって、事務局の方々は多忙極まる日々だったと思います。

発行者が「小さなパンフ」をつくりましたと述べているとおり、A4版を二つ折りにしたとてもコンパクトなサイズ。表紙は真っ赤なコート紙の中央に対比するように真っ黒の四センチ幅の縦帯。そこに縦書きの白い文字があしらわれています。コントラストがハッキリしていてシャープな印象です。

裏表紙が目次になっていて、一六の設問が横書きに記され、一目で全体を把握できるようになっています。

設問一つに対して、見開き二ページで簡潔。そこに関連する写真(設問一六は図)が一枚掲載されているので、文字だけがぎっしり詰まっていて、「つまらなさそう〜」という印象ではなく、写真集とまではいかないけれども、視覚で楽しむこともでき、解説も読んでみようという気にさせてくれるところが嬉しい。文字が大きいなど作り手の読んでほしいという思いが随所に感じられる作りになっています。

靖国問題と天皇制問題は決して切り離して語ることは出来ません。このパンフの中身は違憲訴訟の会だからこその視点で、設問の立て方、提議の仕方がなされています。この種のエキスパートたちが培った経験と膨大な知識がなければ、クルクルと丸めてポッケに入りそうなサイズでありながら、これ一冊で即位にともなう問題を網羅できるものはなかなか作成できないと感心させられました。

「私たちの安倍靖国参拝違憲訴訟の論点の一つは、『国が特定の宗教と結びつく』政教分離問題にありました。天皇の『代替わり』がマスメディアを賑わすなかで、天皇代替わりに関する政教分離問題に対する指摘が余りに少ないことを、私たちは懸念しています。まずそのことを訴えたい」と冒頭にこのパンフを出版する思いが記されています。

この間の象徴天皇制をめぐる言論状況は暗澹たるものです。そのような時代にあって、当然のように執り行われるであろう即位にともなう儀式の問題性が分かりやすく解説されています。

「即位の礼」や「大嘗祭」「宮中祭祀」など天皇用語の解説が、必然的に天皇制の宗教性をあぶりだしています。即位するということは、何かの役職に就任するということとは明らかに違う、神懸かり的なものであることに改めて気づかせてくれます。

設問の一つ、Q4「大嘗祭」ってなに?では、折口信夫の「真床襲衾」(まどこおぶすま)論を紹介しています。

「ー-天照大神を迎え、神膳共進と共食儀礼を中心とする祭祀を行い、天皇霊を身に受けて天皇が神になるということ」という折口論を受け、「大嘗祭は、現人神を生み出す宮中祭祀の中心的宗教儀式です」と結んでいます。

憲法で規定された象徴天皇と宮中祭祀で現人神となる天皇。
アキヒト天皇の祈りは現人神の祈りということになるのかしら! ?だって、大嘗祭の儀式は二二億円も掛けて行われたんですよね。

伊勢神宮を舞台にしたG7のパフォーマンスのように、天皇の即位にともなう数々の儀式は、日本の伝統、文化として国内だけではなく、世界に向けて大々的に宣伝されることが予想されます。

即位にともなう儀式の問題のポイントをしっかり押さえられるパンフです。

●二〇一七年四月、安倍靖国参拝違憲訴訟の会・東京事務局編・発行
yasukuni2013@gmail.com

(鰐沢桃子)

【今月のAlert】「退位特例法」成立糾弾!各地の反天皇制運動はつながりあおう!

六月九日、天皇の「退位特例法」が参院本会議で採決され、自由党を除く全党の賛成で可決、成立した。今後、来年末にも天皇明仁が退位し、皇太子が即位、一九年元日から改元などと報じられている(一九年三月末退位、四月一日即位、改元案もあり)。

法案の問題点については、すでに本紙の前号に掲載された反天連の声明などでも明らかにしてきたが、立法理由とされた特例法の第一条の条文は特にひどい。「天皇陛下が御即位以来二八年を超える長期にわたり、国事行為のほか、全国各地への御訪問、被災地のお見舞いをはじめとする象徴としての公的な御活動に精励する中、八三歳と御高齢になられ、今後これらの御活動を天皇として自ら続けられることが困難となることを深く案じておられることに対し、国民は、御高齢に至るまでこれらの御活動に精励されている天皇陛下を深く敬愛し、この天皇陛下のお気持ちを理解し、これに共感していること」。

「公務」に励んできた天皇を「国民」は敬愛してきた、そしてそれが十分果たせないという天皇の思いを「国民」は「理解・共感」して、皇室典範の「特例」としてこの法律を定めた。天皇によって発議されたものであることすら隠されず、天皇と「国民」とは、いわば「情」において結びついており、それに基づいて「国民」はこの法を定めたというのだ。
「国民と天皇」との関係は、法的関係である前に「情」に基づくというのだ。

この退位特例法に対して、私たちは五月から六月にかけて、いくつかの行動をおこなった。反天連も参加して8・15 反「靖国」行動実行委員会(準備会)を早急に立ち上げ、国会議員への申し入れ書、並びに明仁天皇に対する抗議文を、いくつかのグループの連名で、それぞれ提出することにした。同法案が国会提出された五月一九日には、二つの文書をマスコミ各社に対して発表し、二二日には衆参議員会館で全議員へのポスティング行動を行った。また、二五日には衆院第二議員会館前で集会をもち、リレーアピールと情宣行動を行い、天皇に対する抗議文を内閣官房に提出する行動も行った。これらの賛同は、それぞれ四〇団体になり、二五日の行動にも三五人が参加した。これは決して多い数ということはできないが、たとえ少数ではあっても、まずは声をあげていくしかないと準備した私たちにとっては、予想以上の結集であったと言わなければならない。

そして、退位特例法が衆院を通過し、参院で審議されるタイミングで行われた六月三日の吉祥寺デモは、文字通り退位特例法に直接反対する街頭行動として取り組まれた。私たちもこの行動に全力で参加するとともに、翌日四日には8・15 実(準)として、「新たな『天皇代替わり』に抗う討論集会」をもった。

一連の取り組みを通じてあらためて確認されたことは、この間の状況を通じて、各地で新たに天皇制反対のさまざまな行動が始まっており、それが相互につながりはじめているということである。マスメディアにおいては、ほとんど黙殺され続けてきた反天皇制の声が、なによりこの間の天皇制の突出を前に、広がり始めているのだ。反天皇制運動の大衆化は、このような各地の自律的な、多様な取り組みの積み重ねによってしかありえない。そのことは、かつての昭和天皇の「代替わり」反対闘争とは相当に異なる論理と運動のあり方が要請される、今次の「代替わり」との闘争においても、同様に追求されるべき前提となるだろう。

その点で、六・三吉祥寺デモについて報じた産経新聞(WEB版)の報道は「悪質」であった。同紙は、このデモを主催した「6・3天皇制いらないデモ実行委員会」が、「『天皇制廃止』を訴える左派団体『反天皇制運動連絡会』(反天連)を主な母体とする」などと報じた。
事実として、私たちはこのデモに参加し協力もしたが、いかなる意味においても主催者ではなかった。これは主催者に対して失礼である。おそらく、この記事の情報元である公安警察は、このデモを反天連のデモと描くことによって、現実にさまざまに動き出している反天皇制運動の多様性を否定し、ある少数の特定の「組織」の行動に「歪小化」したいと考えているはずである(公安御用達雑誌『治安フォーラム』の昔出た号では、「狭義の反天連と広義の反天連」などという珍妙な分析さえ見られた)。このあたり、ここではふれることのできない「共謀罪」も絡んで「イヤな感じ」を持たざるを得ない部分もあるが、こうした状況も含めて、確実に開始されている反撃が、新たな状況を生みだしているのだと思う。各地の反天皇制運動は、いまこそつながりあって行動していこう!

(北野誉)

【表紙コラム】

6月9日(金)に成立した「退位特例法」の第7条に、「皇位とともに皇嗣が受けた物については、贈与税を課さない」と定めている。「皇位とともに皇嗣が受けた物」とは「三種の神器」のことらしい。ネットオークションにでも出せば、相当な高値で売れそうなので、非課税ならばそれなりの特典かもしれない。

そう考えている内に、天皇の資産が気になった。今回は明仁が死んでの代替わりではないので、もちろんこのタイミングでの相続(税)はないが、裕仁が死んだ際には、明仁は遺産9億955万円を相続し、約4億2000万円の相続税を納税したという。皇太后(良子)も相続人だったので、9億は裕仁の遺産の総額ではない。裕仁の遺産総額は18億6900 万円だった(とのことだ)。

今年3月、国王の「大名行列」的な来日で話題となったサウジアラビア。この国の先代のアブドラ国王の資産は、180 億ドル(2010年)といわれている。
裕仁と3桁も違う。世界一の石油産出国の絶対君主となるとさすがだと思うが、上には上がいて、タイの先代のプミポン国王は300億ドル。世界の君主の中で一番の資産家と言われた。

ただ、やはりもう君主制の時代ではない。なぜなら、世界一の資産家であるビル・ゲイツの資産は、その2.5倍(860 億ドル)であり、また、資産総額300億ドルを超える君主でない資産家は世界に20名以上いるから、……というわけではない。

20世紀に君主制から共和制に移行した国が65カ国あった。21世紀に入ってからも2カ国ある。英国連邦の16カ国を除けは、現在わずか28カ国しか君主制の国は残っていない。君主制から共和制への歴史の流れが歴然としてあるからである。

(君主なき世をおもしろく)

【月刊ニュース】反天皇制運動Alert 12号(2017年6月 通巻394号)

今月のAlert ◉「退位特例法」成立糾弾!各地の反天皇制運動はつながりあおう!(北野誉)
反天ジャーナル◉大橋にゃお子、宗像充、核女
状況批評◉フィクションとしての天皇制(杉村昌昭)
書評◉『即位・大嘗祭Q&A:天皇代替わりってなに?』(鰐沢桃子)
ネットワーク◉〝デマ〞は、裏からの弾圧-ー沖縄への偏見をあおる放送を許さない市民有志(川名真理)
太田昌国のみたび夢は夜ひらく〈85〉◉PKO法成立から二五年目の機会に(太田昌国)
マスコミじかけの天皇制〈12〉◉〈翼賛国会〉での「立法改憲」:〈壊憲天皇明仁〉その10(天野恵一)
野次馬日誌
集会の真相◉ 5・13 救援すること/されること 浴田由紀子さんを迎えて5・22 退位特例法反対国会議員会館ポスティング行動+5・25 退位特例法反対国会議員会館前アピール行動/5・27 オリンピック災害おことわリンク連続講座 第2回「神宮再開発の現場を歩いて考える」/6・3 皇族解散!「人間」にかえれ!帰ってきた6・3天皇制いらないデモ+6・4 新たな「天皇代替わり」に抗うための集会
学習会報告◉ 丸山邦男『天皇観の戦後史』(白川書院、一九七五年)
反天日誌
集会情報

→前号の目次はこちら

*2017年6月13日発行/B5判16ページ/一部250円
*模索舎(東京・新宿)でも購入できます。

http://www.mosakusha.com/voice_of_the_staff/

【声明】「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」成立糾弾!

「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」は6月9日、参院本会議において可決・成立させられてしまいました。天皇の「意向表明」から始まったこの法案は、その経緯自体が違憲であり、そのことが問われないまま、国会をパスさせようとする異常な議会運営がありました。もちろん、その法案自体違憲性が高い、問題だらけのものでした。実質的な異論なしで、全会一致で早期可決された天皇翼賛状況は、強く批判されなければなりません。

私たちは、憲法を守るべき義務を負う天皇や議員たちが、こぞって違憲行為に走っている状況について、国会に向けて直接、批判の声を上げ、天皇制タブーが議会に及んでいることの非を訴えるべく、以下の共同声明をまとめました。この文書は、同法案が国会提出された5月19日にマスコミ等に一斉発信し、22日には国会議員宛申し入れ文を、衆参の全議員にポスティングしました。さらに25日昼には、衆院第二議員会館前で集会をもち、リレーアピールと情宣行動を行うとともに、同日、天皇に対する抗議文を内閣官房に提出する行動にとりくみました。

一連の天皇「代替わり」に反対していく闘いははじまったばかりです。これからも、広くつながり合って、天皇制反対の運動を拡げていきましょう。

 

共同声明のサイト   http://han.ten-no.net/

2017年6月9日 連絡先=8・15反「靖国」行動(準備会)
東京都千代田区神田淡路町1-21-7 静和ビル2A 淡路町事務所気付

【集会案内】新たな「天皇代替わり」に抗うための 6.4討論集会に参加を!

新たな「天皇代替わり」に抗うための
6.4討論集会に参加を!

昨年8月の天皇メッセージ以降、新たな「天皇代替わり」に向けた準備が急ピッチで進められ、今国会では、そのための特例法が全党一致で可決されようとしています。今回の「天皇代替わり」は、30年前とは違って、「服喪」なき「奉祝」のみの「天皇代替わり」です。30年前には天皇(制)の戦争責任」批判を中心に反対運動に取り組むことができ、一定の支持を得ることができましたが、今回は、反対運動を組みにくいことは確かです。しかしながら、「天皇制の延命=国体護持」を自己目的化した生前退位→譲位を簡単に許すわけにはいきません。どのように、新たな「天皇代替わり」に抗っていくのか、知恵を出し合い、議論をしていきましょう。

30年前に各地で「天皇代替わり」反対の取り組みを担った方も、30年前のことは知らないけれど、今回の「天皇代替わり」について違和感を感じる方も、是非お集まりいただき、「天皇制はいらない」の輪を是非ひろげていきましょう。

▼発題 岡田健一郎(高知大学・憲法学)
  「憲法学から見た天皇問題(仮)」
  中村利也(差別・排外主義に反対する連絡会)
  「差別・排外主義問題と天皇制」

▼日時 2017年6月4日(日)
14時開場

▼場所 YMCAアジア青少年センター(韓国YMCA)3階AB室
JR水道橋駅徒歩8分

8.15反「靖国」行動実行委員会(準備会)
東京都千代田区神田淡路町1-21-7-2A 淡路町事務所気付

【学習会報告】横田喜三郎著『天皇制』(労働文化社、一九四九年)

今回は標題の本を検討した。著者はのちに最高裁長官をつとめた戦前派の国際法学者。この本は刊行時天皇制への民主主義的立場からの批判の書として知られたものだが、こんにちの眼からは、いま左派知識人を混迷させている戦後天皇制の展開をまったく予想していないことが眼につく。

横田は、神勅主義を根拠とする主権者として統治権を総攬した戦前天皇が、戦後国民の総意による象徴として法的にほとんど無能力者になったことをもって、天皇制は本質的に変わったと言う。人類普遍の原理、近代民主主義への合流がそうさせたのであり、そのなかで「天皇・国民一体」という仮構も天皇の存在自体も、歴史的に過去のものとして衰滅していくと見ていたようだ。天皇の政治的働きが復活しないようにすればそうなるだろうと。

この予想ははずれたわけだが、その点を評者は、横田がもっぱら法的観点から問題を考え、天皇を主権者からはずした憲法の変化がすべてだ、としたところに理由を求めた。 横田は天皇を天皇たらしめてきた歴史的政治的現実、①統治集団の権力的意志、②天皇と結びつく人民の意志・感情、③古来支配集団が国家を構成し、近代に人民が国民になる過程を媒介してきた歴史的事情に、何の考慮も払わない。だから統治集団が主導した「戦後民主主義」に国民を媒介する自分の役割に戦後天皇が気づき、それを自覚的に果たしていくことを、時代的限界は仕方がないとはいえ、まったく予想しなかったのだ。

討論で問題になったことの第一点は、横田は同時代の憲法学者宮沢俊義の「八月革命説」に賛成しており、たしかにこの説から導かれる戦後天皇制の新展開への楽観論は二人に共通しているが、この説の論理を徹底させているのは横田の方であること。第二に「戦後民主化」が米国の軍事占領という形で来たことへの感性的反発が戦後右派天皇主義の思想形成の一契機となったのに、戦後左派はこれを軽視したこと。

次回は丸山邦男『天皇観の戦後史』(白川書院・一九七五年)。五月三〇日一九時。

(伊藤晃)

【集会報告】天皇「代替わり」と安保・沖縄・「昭和の日」を考える4・29行動

二〇一〇年より、四月二八・二九日の両日を連続行動として取り組んできた。今年は二八日が「安倍靖国違憲訴訟・東京」の裁判の結審の日と重なった(「ネットワーク」参照)ために、二九日に、知花昌一さんを招いて「沖縄にとっての天皇制と日米安保「日の丸」焼き捨てから30 年、ゾウの檻から21 年」のサブタイトルで千駄ヶ谷区民会館で集会を行った。

マルクス主義の活動家だった知花さんが浄土真宗の僧侶になり、「革命家親鸞」の思想を軸とした視点から、沖縄の運動、安倍政権、天皇制について、運動体験を通して今の思いを実に味わい深く語ってもらった。

知花さんは複雑な気持ちで、今でも「日の丸」を持っているという。サンフランシスコ講和条約によって日本から切り捨てられ、アメリカの軍事独裁施政権下で、「戦後憲法があり、基本的人権が守られ、経済発展が遂げられる」と復帰を願う青年知花さんや沖縄の人々の熱い思いがその言葉から伝わり感慨深い。後に「日の丸」を焼き捨てながら、片方で捨てることができない、何十年も闘い続けた歴史がそこにある。「安保反対であればそのことを貫き、沖縄と日本の関係をどうするのか。自分たち民衆の力の弱さというものをちゃんと認めながら、もう一度向き合うことが必要だ。そして緩やかに深みのある、余裕のある運動を展開していければいいんじゃないか」と結ばれ、後一〇年は闘っていきたいと話を終えた。

続いて実行委から天野恵一が、サンフランシスコ講和条約締結から始まる象徴天皇制国家成立や、アキヒトの「生前退位」メッセージをめぐる問題について。
象徴天皇制国家をヒロヒトの代で確立し、アキヒトが引き継いでいる構造は歴史的にみれば区別する次元の問題ではなく、連続性のなかで問題を考えていくことが必要だという。運動についても天皇制・沖縄と長い抵抗の歴史の中で地下水脈のように続いている流れを踏まえて、今の状況を考えていかなければいけないだろうと発言。

最後に、基地・軍隊はいらない!4・29 集会、辺野古への基地建設を許さない実行委員会、安倍靖国違憲訴訟・東京、6・3天皇制いらないデモ実行委員会、「2020年東京オリンピック」おことわり連絡会、共謀罪創設に反対する百人委員会、自由と生存のメーデーの七団体からのアピールを受け、GW初日で賑わう原宿から渋谷まで「天皇制はいらない!」の声を響かせデモを行った。集会参加者一五〇人。

(桃色鰐)