めでたくないぞ!! 結婚<50年>即位<20年>基調

1 「国民こぞって奉祝」に異議あり

 昨年から天皇制賛美の右翼団体や財界、自民党・民主党などの政党が総ぐるみになって「天皇在位20年」奉祝キャンペーンがスタートしました。11月12日の「即位の礼」20年の「祝日化」、政府主催「奉祝」式典と皇居前広場での大規模な「国民式典」が予定されています。大規模な「奉祝」ムードを盛り上げ、批判の言論や行動を封じ込める厳戒態勢が敷かれようとしています。
 それと合わせて昨日4月10日に「結婚50周年」イベントが開催され、「国民と共に歩み、国民の心のよりどころとなった」天皇・皇后への「一体感」がマスコミを通じて動員されています。ここでとりわけクローズアップされているのは、「初めて民間から皇室に嫁いだ」美智子の苦労話です。美智子が周囲の冷たい視線にさらされながら、いかに「皇室と国民のためにつくしたか」という物語がふりまかれ、戦後象徴天皇制への同調が組織されています。
「天皇を象徴として仰ぐ日本」という価値観、歴史解釈の押し付け、右翼の威圧・暴力を伴う批判的言論・行動の抑圧は、私たちの自由・民主主義・人権を制限し、奪うものであり、私たちはこうしたキャンペーンにさまざまなやりかたで反対の意思を表明します。

2 「20年」奉祝・天皇制賛美キャンペーンの背景

 こうした<50年><20年>キャンペーンを政財界やマスコミが大がかりに推進している背景はどこにあるのでしょうか。
一つは、すでに天皇・皇后は高齢者になっており、「代替わり」=「平成Xデー」を意識しなければならないということでしょう。しかも「女系天皇」論争、「皇太子・雅子妃」問題に見られるように、「代替わり」が不安定化し、天皇制の存続そのものが危機に直面しているという事態が浮上しています。
 二つ目は、現在の「戦後最悪」「100年に一度」とも言われる世界規模での資本主義の危機です。新自由主義的なグローバル資本主義の帰結として、格差・貧困、失業が蔓延し、「豊かな社会」といわれてきた先進資本主義国でも生存そのものの危機に私たちは直面しています。この経済・金融危機は、気候変動に代表される環境危機、食糧危機、資源・エネルギー危機とも結びつき、「資本主義の限界」という言葉も語られるようになってきました。
住民を秩序に統合するシステム、議会を通じた政治支配そのものがマヒしており、支配の正統性そのものが揺らぎ、支配的エリートたちは自信喪失しています。こうした中で、「国家」の役割を強め「伝統」に回帰することで、秩序を立て直そうという動きも浮上しています。そこでもう一度、天皇・天皇制の果たす役割をあらためて確認し、それを最大限に利用したいというのが、今回の「奉祝」キャンペーンの主要なねらいだと思われます。

3 明仁・美智子天皇制の<20年>

 「明仁・美智子」天皇制の20年は、「昭和」の侵略戦争の戦犯であるという実態から切り離すことのできない裕仁の時代を「清算」し、「平和憲法」下の象徴天皇制時代にふさわしい存在としての外交活動や、戦争・災害被害者への「慰霊・慰問」活動を大きな特徴としています。さまざまな文化的イベントなどの「公務」も裕仁時代に比べて増大しました。しかしそれだけではありません。この「20年」は、湾岸戦争以来、自衛隊が海外に派兵され、ついにアフガン侵略戦争やイラク侵略戦争に派兵し、「戦争国家」となる時代でもありました。「明仁・美智子」天皇制は「人道復興支援」などの「国際貢献」という名目で派遣された自衛隊の「労をねぎらい」、海外派兵を正当化する役割をも担ってきたのです。
 この間、支配層は「君が代・日の丸」の法制化と強制、教育基本法の改悪、首相の靖国参拝などを推し進め、さらに憲法改悪への流れを加速させています。自民党の改憲草案の第一次案では天皇の「明文元首化」と宮中祭祀の「国事行為化」なども含まれていました。
 こうした動きは米国の戦略に従属した「改憲・派兵国家化」という枠組みもあって、ストレートには進んでいませんが、田母神論文に表現されるように「対米自立」を掲げた極右勢力が、社会的なフラストレーションを吸収して支持を広げていく危険性を無視することはできません。排外主義的なナショナリズムを動員し、自由・人権・民主主義を敵視し、攻撃する流れを、私たちは食い止めなければなりません。

4 私たちはどう行動するか

 1986年の「裕仁在位60年式典」、1988~89年の「裕仁Xデー」、1990年の「即位の礼・大嘗祭」に際して、私たちは「自粛」の強要、皇室警備、右翼の威圧と暴力に抗し、自由な言論を掘り起こして、運動のネットワークを作り出してきました。
 それはさまざまな差別に対する闘いなど、日常生活の場から多様な角度で天皇制を批判するものでした。私たちは討論会、シンポジウム、全国キャラバン、パフォーマンス、そしてデモなどを積み上げて、これまでにない広がりで「天皇制反対!」の声を生み出していったのです。
 この成果は「在位10年奉祝」反対の運動、天皇出席行事(国体、植樹祭など)、「皇室外交」への批判、そして反靖国、「日の丸・君が代」強制反対運動などにも引き継がれ、各地でねばり強い取り組みが続いています。
 今、私たちは資本主義の世界的な危機がもたらす格差・貧困・失業の深刻化の中で、自由と権利が抑圧され、生存そのものが日々脅かされる状況に直面しています。憲法改悪・戦争国家体制作りが勢いを増し、差別と排外主義の意識が煽られています。私たちは、この厳しい現実の中から人びとが尊厳をもって自由に生きる公正な社会を求めて、天皇制などにからめとられることのない人と人との結びつきを作り出していきたいと思います。
 この<20年奉祝>に異議あり!共同行動が、そのための多様な問題提起、情報交換、おたがいの協力を進めていく媒介となり、<天皇制はいらない>の意思をもっともっと広く示していくために共に語り、行動しましょう。とりわけ「即位の日」の「臨時休日化」法案に反対し、11月政府式典にNO!と訴える大きな行動を作り上げましょう。

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