今年11月12日を祝日とする法案に反対する

 6月30日、天皇の「即位の礼」から20年となる今年11月12日を「臨時の祝日」とする法案が、衆院に提出されました。この法案の目的は「天皇陛下御在位20年を記念し、国民こぞって祝うため」となっています。私たちはこの法案に反対する立場から、法案不採択を求めるものです。

 私たちにとってこの20年とは、本格的な戦争国家化と派兵の20年であったし、歴史の書きかえ問題が大きく浮上し、言論や表現の自由も大きく奪われていく20年でした。経済的には多くの人を追いつめていく20年でもありました。とても祝えるような20年ではありません。
 職を奪われ、いくら働いても生活できるだけの賃金が保障されず、人件費削減にともなう加重労働で過労死が相次ぎ、年間の自殺者もこの間3万人を超えています。こうした深刻な社会問題にまともに向き合うこともせず、「天皇即位20年」を祝うための諸行事が準備され、さらには休日化までなされることに、割り切れない思いを感じる人は多いと思います。
 また、何かのために仕事を休んだり、何ごとかを祝ったり、あるいは何ごとかを祝うために休んだりするということは、本来個々人が自由に選択すべきことです。こういった基本的な人権に属することすらまともに保障されていないなかで、「天皇を祝うために休む」ことを、一方的に法律で定めるなど、およそ受け入れられるものではありません。

 そもそも休日にしてまで天皇を祝うことを、なぜ強要されるのでしょう。多くの「国民の祝日」が天皇制と深い関わりを持っていますが、とりわけこの休日化は「祝われる人」と「祝わされる人」が存在するという関係を、この社会に持ち込み固定化させます。それは身分差別を前提とするものであり、それを法律で強制することにほかなりません。
 それだけではありません。11月12日が休日とされ、この日に仕事や学業を休むことになる人々は、「国民こぞって祝うため」という目的を掲げる法律の趣旨に沿えば、その日を休日として過ごすだけで、本人の意図とは無関係に、「天皇即位20年」を祝ったことにされてしまいます。また、当日は政府式典をはじめ地域でもさまざまな行事が準備されていると聞きますが、そこでは「奉祝」を強制され動員される、休むことのできない公務員や従業員がいることも忘れるわけにはいきません。天皇を祝うために休ませられ、あるいは働かされる日になるのです。また、式典等では「日の丸」と「君が代」があたりまえのように揚げられ、流され、強制されるでしょう。
 こういった祝意の強制は、民主主義を破壊する行為であり、天皇という存在を特別視する身分差別であり、「国民こぞって奉祝する」という全体主義的な状況を、この法律でもって作り出していこうというのです。私たちはこれに断固反対します。

 以上のとおり私たちの本法案不採択の考えを表明し、それが無視されることなく、議会に反映されることを強く要請します。

 2009年7月6日
 〈天皇即位20年奉祝〉に異議あり!え~かげんにせーよ共同行動

コメントは受け付けていません。